受動喫煙防止イエローグリーンライトアップ運動の評価と効果的なタバコ対策への提言

イエローグリーンライトアップ運動についてフラットに検証したいので、下記の反証があれば、ぜひエビデンスをご紹介ください!

Executive Summary

近年、日本禁煙学会およびその関連団体によって提唱され、全国に広がりを見せている受動喫煙防止を象徴するイエローグリーンのライトアップ運動は、その目的と実効性に関して複数の懸念が指摘されています。本レポートは、以下の5つの主要な懸念事項について、国内外の事例や公衆衛生の原則に基づき、多角的に分析・評価します。

第一に、イエローグリーンライトアップ運動への資源投入は、本来実施すべきタバコ対策から予算と人員を逸脱させ、結果としてタバコ対策全体の進展を阻害する可能性があります。エビデンスに基づく禁煙治療や包括的な禁煙政策が極めて費用対効果に優れることが示されている一方で、これらの効果的な介入策への資源配分が十分でない現状が存在します。

第二に、イエローグリーンライトアップは、「やりとげた感」は大きいものの、実際の啓発効果が限定的であり、投入される費用に見合う効果が得られない、すなわち費用対効果が低い可能性があります。商業的なライトアップが視認性向上やブランドイメージ強化に寄与する一方で、複雑な健康行動変容を促す公衆衛生キャンペーンにおいては、象徴的な活動だけでは行動変容に直結しにくいという限界が指摘されます。過去のシンボルキャンペーンにおける批判事例は、その啓発効果の測定の難しさと、表面的な活動に留まるリスクを示唆します。

第三に、イエローグリーンライトアップが「手段」であるにもかかわらず、それ自体が「目的」と化し、本来目指すべき受動喫煙防止のための具体的な行動や政策推進への思考停止を招く恐れがあります。社会運動における象徴的活動が「スラックティビズム」に陥る可能性や、公衆衛生分野での啓発活動が形式化することで実効性のあるアクションが停滞する事例は、この懸念を裏付けるものです。

第四に、イエローグリーンが掲げる「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージは、すでに国内で一定のコンセンサスが得られているため、重ねての意識づけの意味が低い可能性があります。むしろ、三次喫煙、シーシャ、加熱式タバコといった、一般への啓発が不十分な新たな喫煙形態や健康リスクに注力すべきであるという課題が浮上します。

第五に、イエローグリーンが掲げる「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージが、「だからこそ喫煙所を作って分煙しよう」というタバコ産業の分煙推進戦略に悪用される懸念があります。かつて禁煙運動側が提唱した分煙が、現在ではタバコ産業が喫煙場所を確保するための方便として利用されているように、イエローグリーン運動も同様に悪用される可能性があります。

これらの分析に基づき、本レポートは、イエローグリーンライトアップ運動の限界を指摘しつつ、限られた公衆衛生資源をより効果的かつ効率的に配分し、真に受動喫煙防止を推進するための具体的な提言を行います。

1. はじめに:受動喫煙防止イエローグリーンライトアップ運動の背景と本レポートの目的

1.1. イエローグリーンライトアップ運動の概要と現状

イエローグリーンライトアップ運動は、日本禁煙学会およびその関連団体が提唱し、近年日本全国に広がりを見せている受動喫煙防止を象徴する活動です。この運動は、世界保健機関(WHO)が定める「World No Tobacco Day」(5月31日)と、国が定める「禁煙週間」(5月31日〜6月6日)に合わせて実施されることが多く、受動喫煙防止のシンボルカラーであるイエローグリーンを用いて、建物や看板などをライトアップすることにより、受動喫煙防止の大切さや禁煙の意義を伝えることを目的としています 1

この運動は全国的な広がりを見せており、茨城県 1、宮城県 2、埼玉県 3、福島県 4、いわき市 5 など、様々な都道府県や市町村が参加しています。参加団体は多岐にわたり、日本医師会、茨城県医師会、福島県医師会、いわき市医師会、いわき市薬剤師会といった医療関係団体に加え、県庁や市役所などの地方自治体、さらには水戸芸術館、つくばエキスポセンター、病院、ショッピングモール、発電所、大学、スポーツクラブ、タクシーグループといった民間施設も協力しています 1。ライトアップ活動に加えて、フォトコンテストやリボン着用といった関連活動も展開されており、運動の認知度向上を図っています 2

このような広範な参加と全国的な展開は、イエローグリーンライトアップ運動が単一の組織による小規模な取り組みではなく、多くの主体が関与する大規模な活動であることを示しています。個々のライトアップにかかる費用は限定的であっても、全国規模でこれほど多くの組織が参加し、人員や設備、電力といった資源を投入している現状は、その総体的な資源投入量が相当な規模に達していることを示唆しています。この集約された資源の投入は、公衆衛生分野における資源配分の効率性を評価する上で、その機会費用を検討する必要があることを示唆しています。

本運動の主要な作用機序は、受動喫煙防止のシンボルカラーであるイエローグリーンを視覚的に提示することで、「受動喫煙防止の大切さや禁煙の重要性を伝える」という、象徴的な可視化と広報にあります 1。このメカニズムは、直接的な行動変容を促す介入ではなく、意識啓発に重点を置いている点で、他の公衆衛生戦略との比較において重要な差異となります。この象徴的な性質が、運動の有効性と費用対効果を評価する際の中心的な論点となります。

1.2. 本レポートで検証する主要な懸念事項

イエローグリーンライトアップ運動の広がりと活動内容を鑑みるに、本レポートでは、この運動が抱える以下の5つの主要な懸念事項について検証を行います。これらの懸念は、公衆衛生介入の有効性と資源配分の最適化という観点から、喫緊の課題として認識されています。

  1. 本来実施すべきタバコ対策を行わずイエローグリーンライトアップに予算と人員を費消するため、タバコ対策が退行する
  2. イエローグリーンライトアップは「やりとげた感」は大きいものの、実際の啓発効果は低い(費用対効果が低い)
  3. イエローグリーンライトアップは手段であるが、それが目的化し、それで思考停止し満足し本来実行すべきアクションが検討・工夫されなくなる
  4. イエローグリーンが掲げる「受動喫煙したくない、させたくない」は、すでにわが国ではコンセンサスとなっており、重ねて意識づけを図ることの意味が低い。むしろ三次喫煙やシーシャ、加熱式タバコの問題など一般への啓発が不十分な問題に注力すべきではないか。
  5. イエローグリーンが掲げる「受動喫煙したくない、させたくない」は、「だからこそ喫煙所を作って分煙しよう」とタバコ産業に悪用される懸念がある。かつて分煙は受動喫煙防止のために禁煙運動側が提唱していたが、現在はタバコ産業が喫煙させる場所を確保するための方便としているように、イエローグリーンも同じように悪用される可能性がある。

これらの懸念は、イエローグリーンライトアップ運動に特有の問題であるだけでなく、公衆衛生分野や社会運動全般において広く認識されている課題と共通しています。例えば、限られた資源(人、物、時間、予算)の最適化は、公衆衛生計画における基本的な原則であり、優先順位付けの重要性が強調されています 7。また、象徴的な介入の真のインパクトを評価することの難しさや、活動自体が目的化してしまう「スラックティビズム」や「目的の転位」のリスクも、社会運動や自己啓発の文脈で指摘されてきました 10。本レポートでは、これらの既知の課題とイエローグリーンライトアップ運動の状況を重ね合わせることで、より強固でエビデンスに基づいた評価を提供します。

2. 懸念1:資源配分の非効率性とタバコ対策の退行

2.1. イエローグリーンライトアップへの資源投入の実態

イエローグリーンライトアップ運動は、「全国運動」として展開され 1、多くの自治体、医療機関、民間施設が参加しています 1。具体的な活動には、著名なランドマークや公共施設のライトアップ、リボン着用運動、フォトコンテストなどが含まれます 1。これらの活動の実施には、照明設備のレンタルや購入費用、電力代、リボンや広報資材の製作費といった直接的な予算だけでなく、イベントの企画・調整、広報活動、設営・撤去に関わる人員の労働時間が不可欠です。

公衆衛生分野において、利用可能な資源(予算、人員、時間)には常に限りがあります 7。この制約の中で、イエローグリーンライトアップ運動に投入される資源は、たとえ個々の参加団体にとっては微々たるものに見えても、全国規模で集計すると無視できない規模の総体的な投資となります。この資源投入は、他のタバコ対策に充てられる可能性のあった資源が、ライトアップ活動に振り向けられていることを意味します。これは、経済学における機会費用という概念に他なりません。つまり、ライトアップに投じられた資源は、より直接的で効果が実証されている禁煙支援プログラムや受動喫煙防止策に活用できたかもしれないという側面が存在します。この機会費用の存在は、資源配分の効率性を問う上で極めて重要な論点となります。

2.2. エビデンスに基づく効果的なタバコ対策とその費用対効果

公衆衛生の分野では、タバコ対策に関して、その効果と費用対効果が科学的に検証された介入策が多数存在します。禁煙治療は、その中でも「極めて費用対効果に優れる」介入策として広く認識されています 13。禁煙治療は、医療費を削減し、健康アウトカムを改善する効果が実証されており、予防介入の中でも「予防自体の費用が、将来減らせる病気の医療費削減額を下回る」数少ない介入の一つとされています 13。実際に、40歳代で禁煙した場合、男性で140.9万円、女性で89.5万円の医療費削減効果が見込まれ、60歳代での禁煙でも男性121.4万円、女性62.8万円の削減効果が期待できると試算されています 13。全体として、喫煙対策は「健康を守る上で最も効果的かつ費用対効果の高い施策」であると評価されています 15

具体的な効果的な禁煙支援策としては、カウンセリングや専門機関による指導、禁煙外来の紹介、喫煙習慣改善プログラム、禁煙を奨励するキャンペーン、禁煙セミナーの実施、ニコチンパッチやニコチンガムなどの禁煙製品の提供が挙げられます 16。さらに、職場や公共の場所を全面禁煙にする、喫煙所をなくすといった環境整備、健康診断時に禁煙指導を必須とする、禁煙に挑戦するグループを形成するといった集団的アプローチも有効です 17。また、医師会長や産業医、芸能人、スポーツ選手、そして家族といった影響力のある人物からのメッセージは、禁煙を促す上で効果的であるとされています 17。これらの介入策は、ニコチン依存からの脱却を自力に比べて約3〜4倍高い確率でサポートするとされ、その費用を補って余りある医療費削減と健康上のメリットを生み出すことが明らかになっています 13。そのため、禁煙治療への保険給付を積極的に行い、その普及と充実を図ることが重要であると提言されています 13

これらのエビデンスに基づく介入策は、喫煙行動の変容を直接的に促し、具体的な健康改善と医療費削減という定量的な成果をもたらすことを目的としています。これに対し、イエローグリーンライトアップ運動は、主に「意識啓発」という間接的なメカニズムに依拠しています。意識啓発は行動変容の第一歩ではありますが、それ自体では複雑な健康行動の変容を達成するには不十分であると公衆衛生の知見は示唆しています 18。この直接的な行動変容と間接的な意識啓発という作用機序の根本的な違いは、両者の潜在的なインパクトに大きな隔たりがあることを示しています。

さらに、費用対効果の高いタバコ対策が多数存在するにもかかわらず、国や地方のタバコ対策予算、特に禁煙支援サービスへの予算が「充足にはほど遠い」という現状が指摘されています 19。一部の地方では予算が減少し始めているという報告もあり、この状況は深刻です。この事実は、イエローグリーンライトアップのような象徴的な活動に資源が投入されている一方で、より効果が実証されている禁煙治療や禁煙支援サービスが財源不足に直面しているという矛盾を浮き彫りにします。これは、限られた公衆衛生資源が、効果が未実証の活動に優先的に配分されている可能性を示唆しており、資源の非効率な配分という懸念を裏付けるものです。

2.3. 公衆衛生における資源配分の優先順位と非効率事例の分析

公衆衛生の領域では、人、物、時間、予算といった利用可能な資源には常に限りがあるため、最も重要な健康課題を選定し、資源配分の優先順位を決定することが不可欠です 7。この優先順位付けは、各健康課題の重要性を評価し、最大の健康改善をもたらす可能性のある介入策を、その利益と危険性のエビデンスに基づいて選択するという科学的なアプローチによって行われるべきです 8。経済学の観点からも、特定の財やサービス、特に公衆衛生介入においては、市場原理に任せるだけでは最適な資源配分が困難になる場合があることが指摘されています 20

資源の非効率な利用や無駄遣いの事例は、公衆衛生分野に限らず見られます。例えば、工場からの汚染が近隣住民の健康被害を引き起こすにもかかわらず、その費用を工場が負担せず住民が負う「負の外部性」は、資源配分の非効率性の一例です 21。また、使い捨て製品の使用が石油資源の無駄遣いやゴミ問題につながる一方で、詰め替えパックのような代替策が資源節約に貢献する例も存在します 22

タバコ対策の資金調達においても、同様の課題が見られます。政治的意思の欠如や不十分で非効果的なデータが、タバコ規制のための行動への政治的意思の欠如を助長する可能性があります 23。また、タバコ規制のための資源が不足している場合、その主な原因は、優先順位が高いと受け取られている他の健康問題に資源が配分されることにあると指摘されています 23。これは、特に医療資源が極めて限られている途上国において重要な問題となりますが、先進国においても同様の資源配分の課題が存在します。

イエローグリーンライトアップ運動のような象徴的な活動に資源が投入されることは、公衆衛生の基本的な原則であるエビデンスに基づいた資源配分と優先順位付けから逸脱する可能性があります。もし、明確な健康アウトカムに結びつかない象徴的な活動に資源が向けられるならば、それは限られた公的資金の最適かつ倫理的な使用とは言えません。この資源配分の偏りは、公衆衛生全体の進展を阻害する可能性があります。

さらに、象徴的なキャンペーンが「何かをしている」という印象を政策決定者や一般市民に与えることで、それが十分な対策であると誤認され、より実効性のある、しかし地味で困難な介入策への政治的推進力が低下するリスクも存在します。これは、政治的意思が、より可視性が高く、実行しやすい活動によって満たされてしまい、真にインパクトのある変化をもたらすための努力が停滞する可能性を示唆しています。

表1:主要な禁煙対策とイエローグリーンライトアップの費用対効果比較

 

介入の種類 主な作用機序 費用対効果の評価 エビデンスソース
禁煙治療(カウンセリング、禁煙外来) 行動変容支援 極めて費用対効果に優れる(医療費削減、QALY改善) 13
禁煙補助薬の提供 行動変容支援 極めて費用対効果に優れる(医療費削減、QALY改善) 13
職場・公共の場での禁煙化 環境整備 高い費用対効果(医療費削減、QOL改善) 17
禁煙セミナー・キャンペーン(行動変容目的) 意識啓発、行動変容支援 効果実証済み、費用対効果良好な場合あり 16
イエローグリーンライトアップ 意識啓発(象徴的) 評価困難/限定的(行動変容への直接的な影響未実証) 1

上記表は、イエローグリーンライトアップが他のエビデンスに基づく禁煙対策と比較して、その費用対効果の評価が困難であり、直接的な健康アウトカムへの寄与が未実証であることを示しています。これは、限られた資源を最大限に活用し、公衆衛生目標を達成するためには、資源配分の優先順位を再考する必要があることを強く示唆しています。

3. 懸念2:「やりとげた感」と啓発効果の限定性、費用対効果の課題

3.1. シンボルカラーライトアップキャンペーンの啓発効果と限界

ライトアップキャンペーンは、商業的な文脈においては、その視認性の高さから効果的な広告手法として機能します。夜間でもはっきりと見えることで24時間の広告効果を発揮し、特定のカラーや照明のトーンを用いることでブランドイメージを強化し、集客力を高める役割が期待されます 25。LED照明の進化は、省エネ、長寿命、フルカラー表現、動的な光の演出を可能にし、その表現力をさらに高めています 25。色彩心理学の観点からも、赤色が活力や興奮を促す効果があること 26、青色が神経を落ち着かせ癒す効果があるとされ、自閉症啓発のシンボルカラーとして使用されること 27 など、色が人々の感情や認識に影響を与えることは広く知られています。イエローグリーンも視認性の高い色として知られていますが、その目立ちやすさは明るさや彩度によって異なり、一概に高い視認性を持つとは言えない可能性も指摘されています 28

しかし、商業的な成功や一般的な視認性の高さが、複雑な健康行動の変容を促す公衆衛生キャンペーンにおいて、そのままの形で適用できるとは限りません。商業キャンペーンが売上増加や顧客獲得といった直接的で定量的な成果を目標とするのに対し 29、公衆衛生キャンペーン、特に象徴的な活動は、意識の変容や態度形成といった中間的な目標に留まることが多いです。例えば、発達障害啓発週間におけるブルーライトアップは、「発達障害の正しい理解と対応方法や相談機関等の周知を図る」ことを目的とし、その費用は「妥当である」と評価されていますが、具体的な行動変容や健康アウトカムの改善を定量的に示すものではありません 31

この点は、公衆衛生における「啓発」の役割を深く考える上で重要です。啓発は、対象者が問題の深刻さを知り理解する第一歩ですが、それが直ちに行動変容につながるわけではありません 18。喫煙行動のような根深く習慣化された行動を変えるには、単なる「知る」以上の、態度変容、具体的な行動への移行、そしてその行動を維持するための継続的な支援が必要です 18。イエローグリーンライトアップが「受動喫煙防止の大切さや禁煙の重要性を伝える」という目的を掲げているものの 1、そのメッセージがどれほど深く人々の意識に浸透し、実際の喫煙行動や受動喫煙回避行動に影響を与えているかについては、明確なエビデンスが示されていません。

したがって、ライトアップが単なる「可視化」に留まり、具体的な行動変容を促すための次のステップへの橋渡しが不足している場合、その啓発効果は限定的にならざるを得ません。明確な行動変容の指標がない中で、ライトアップ活動に投入される資源の費用対効果を評価することは極めて困難であり、その効果が「たいした啓発にならない」という懸念は妥当であると考えられます。

3.2. 国内外のシンボルキャンペーンにおける批判的評価事例

象徴的なキャンペーンは、その意図とは裏腹に、時に厳しい批判に直面することがあります。乳がん啓発の「ピンクリボン運動」は、その代表的な事例であり、イエローグリーンライトアップ運動が直面しうる課題を浮き彫りにします。

ピンクリボン運動に対する主な批判は、「ピンクウォッシュ」という概念に集約されます 32。これは、企業が乳がん啓発を謳いながら、その実態が伴わない、あるいは矛盾する行動をとることを指します。具体的には、以下のような問題が指摘されています。

  • 寄付金の不透明性・限定性: 大手企業が「乳がん研究のために寄付します」と宣伝しつつ、実際には売上のごく一部(例:1%)しか寄付されないケースや、集まった寄付金の総額や使途が明確でないケースが存在します 32。これにより、消費者は多額の寄付がなされていると誤解する可能性があります。
  • 矛盾する製品の販売: 乳がん啓発を支援しながら、乳がんリスクを高める可能性のある製品を販売している企業が批判の対象となりました。例えば、KFCが乳がん啓発のために高脂肪・高カロリーのフライドチキンを販売した事例や、エスティーローダーの化粧品に発がん性リスクが指摘される成分が含まれているという批判が挙げられます 32。このような矛盾は、キャンペーンの信頼性を大きく損ないます。
  • 患者や家族への配慮不足: ピンクリボン運動のポスターが、患者や家族を傷つけるような表現を含んでいたとして批判が殺到した事例もあります 33。啓発活動が、対象となる人々の感情や経験に十分配慮しない場合、かえって反発を招き、運動の目的達成を妨げる結果となります。
  • 表現の形式化・想像力不足: 「なんでもかんでも炎上しちゃうから、何もできなくなる」という懸念がある一方で、ピンクリボン運動の表現が「想像力に欠けており、それ以前の問題」であるという批判も存在しました 35。これは、象徴的な活動が形式化し、メッセージが陳腐化するリスクを示唆しています。

これらの「ピンクウォッシュ」に対する批判は、イエローグリーンライトアップ運動にも「イエローウォッシュ」として類推的に適用される可能性があります。もし、ライトアップ活動が多大な資源を消費しながらも、受動喫煙の具体的な減少や禁煙率の向上に繋がらない場合、それは表面的な活動に過ぎないと見なされ、より実質的な介入の必要性から目を逸らす「イエローウォッシュ」と批判されるリスクを内包します。このような認識は、キャンペーンを推進する組織の信頼性を損ね、公衆衛生対策全体への不信感を生み出す可能性を秘めています。

象徴的な活動は、社会運動の文脈において、一時的な流行や心理的な発散と見なされ、実効性のある政治的行動とは異なるという批判も存在します 36。ソーシャルメディアの普及は、誰もが情報発信できる自由をもたらした一方で、事実と虚偽、証拠に基づく議論と偏った意見が混在し、社会に不安定さをもたらす可能性も指摘されています 39。このような背景において、象徴的なキャンペーンが、その可視性や参加の容易さゆえに、本質的な課題解決から遠ざかるリスクは常に存在します。

3.3. 啓発活動の費用対効果評価の課題と測定の難しさ

公衆衛生分野における啓発活動、特に象徴的なキャンペーンの費用対効果を厳密に評価することは、本質的に困難を伴います。医療分野では、医薬品や医療機器の費用対効果評価制度が2019年から運用されており、費用と効果の増加分を比較分析することで、保険償還価格の調整に用いられています 40。しかし、これは特定の医療介入の直接的な効果を定量化するものであり、複雑な社会的・行動的要因が絡む公衆衛生キャンペーンには直接適用しにくい側面があります。

キャンペーンの成功を測る指標は、商業分野では売上増加や顧客獲得数 29、あるいは広告の到達率や認知度といったものが用いられます 30。しかし、公衆衛生における啓発活動の最終目標は、単なる認知度向上ではなく、喫煙行動の変容や受動喫煙の減少といった具体的な健康アウトカムです。イエローグリーンライトアップ運動の場合、「受動喫煙防止の大切さや禁煙の重要性を伝える」という目的は掲げられているものの 1、それが実際に喫煙者の禁煙成功率を高めたり、非喫煙者の受動喫煙曝露を減少させたりしたという直接的なエビデンスは、提示された情報からは確認できません。

例えば、発達障害啓発のためのブルーライトアップの事例では、その費用が「妥当である」と評価されていますが、これは「発達障害の正しい理解と対応方法や相談機関等の周知を図る」という啓発目的が達成されたことに対する評価であり、具体的な健康行動の変容や医療費削減といった定量的な健康アウトカムに基づいたものではありません 31。このような評価は、活動の「適切性」を示すものであっても、その「費用対効果」を厳密に証明するものではないと言えます。

公衆衛生の介入策、特に禁煙治療は、医療費削減や質調整生存年(QALY)の改善といった明確な健康アウトカムによって費用対効果が評価されます 13。これに対し、イエローグリーンライトアップのような象徴的な活動は、これらの直接的な健康アウトカムとの因果関係を立証することが極めて困難です。この測定の難しさが、「費用対効果が低い」という懸念を補強する根拠となります。

さらに、効果測定の難しさは、キャンペーンの実施主体が、最終的な健康アウトカムではなく、活動自体の指標(例:ライトアップされた建物の数、メディア露出回数)に満足してしまうリスクを高めます。このような「活動ベースの満足」は、キャンペーンが「自己満足的」であるという批判につながり、真の公衆衛生目標達成への意識を希薄化させる可能性があります。複雑な顧客情報の一元管理やデータ連携の課題が、効果測定の障壁となることも指摘されており 41、公衆衛生分野においても同様のデータ管理の課題が、厳密な評価を妨げている可能性があります。

表2:シンボルカラーキャンペーンにおける啓発効果評価の課題と事例

 

キャンペーン名 主な目的 実施形態 主要な課題/批判 関連情報源
イエローグリーンライトアップ 受動喫煙防止啓発 建物ライトアップ、リボン着用、フォトコンテスト 啓発効果の測定困難性、費用対効果の不明瞭さ、手段の目的化の懸念 1
ピンクリボン運動 乳がん啓発 リボン着用、商品販売、ポスター、セミナー 「ピンクウォッシュ」(寄付不透明性、矛盾製品)、患者への配慮不足、表現の形式化 32
ブルーライトアップ(自閉症啓発) 自閉症啓発 建物ライトアップ 啓発効果の測定困難性(理解促進は評価されるが行動変容は不明瞭)、費用対効果の評価の曖昧さ 27

この表は、イエローグリーンライトアップ運動が、他の象徴的なキャンペーンと同様に、その啓発効果の測定に課題を抱え、費用対効果が不明瞭であるという共通の懸念を抱えていることを示しています。特に、ピンクリボン運動の事例は、象徴的な活動が本質的な目的から乖離し、「ウォッシュ」と批判されるリスクがあることを明確に示唆しています。

4. 懸念3:手段の目的化と実効性のあるアクションの停滞

4.1. 社会運動における象徴的活動の「スラックティビズム」化

社会運動において、象徴的な活動が「スラックティビズム(slacktivism)」と呼ばれる現象に陥るリスクが指摘されています。スラックティビズムとは、オンライン署名への署名やソーシャルメディアでの投稿の「いいね!」やシェアなど、最小限の労力で参加できる活動を指します 10。批評家は、これらの活動が、メッセージをテストし、クリックスルー率を記録する広告キャンペーンに類似しており、深い関与ではなく、メールアドレスの羅列やクリック数といった表面的な指標に終始する傾向があると指摘しています 10

特に「チャリティ・スラックティビズム」は、理念を支援するために個人の努力をほとんど必要としない行動と定義され、困っている人を助けるというよりも、自分自身が良いことをした気分になりたいという欲求に動機付けられる側面があると考察されています 10。例えば、「プロダクトレッド」キャンペーンのように、製品購入代金の一部が寄付される形式は、寄付の広がりが薄いという批判を受けることがあります 10。このような象徴的な行動は、社会運動が政治的目的を持ったものとしてではなく、心理的な発散と見なされる傾向があるという批判にもつながります 36。ソーシャルメディアが情報発信の自由を可能にした一方で、事実と虚偽が混在し、社会に不安定さをもたらす可能性も指摘されています 39

イエローグリーンライトアップ運動は、その性質上、この「スラックティビズム」の概念と直接的に関連付けられる可能性があります。ライトアップへの参加やその可視化は、主催者や参加者にとって「受動喫煙防止に貢献している」という達成感や「良いことをしている」という満足感をもたらしやすい活動です。しかし、これが実質的な行動変容や政策推進に繋がる大きな労力を伴わない場合、その活動自体が目的となり、それ以上の深い思考や具体的な行動が停滞する「自己満足的」な状態に陥る危険性があります。これは、活動が、本来の公衆衛生目標を達成するのではなく、「何かをしている」という必要性を満たすための手段と化してしまう「フィールグッド・トラップ」に他なりません。

象徴的な活動が、必ずしも無意味であるわけではありません。例えば、UK Uncutがソーシャルメディアを活用して物理的な抗議活動を組織した事例や、グレタ・トゥンベリ氏の座り込みが世界的な気候変動運動に発展した事例 10、あるいはチュニジアでの焼身自殺がSNSを通じて広がり、大規模な抗議活動の触媒となった事例 43 のように、象徴的な行動が実質的な運動の触媒となることもあります。しかし、懸念されるのは、象徴的な活動が、より困難で実効性のある行動の「代替」となってしまう場合です。もしイエローグリーンライトアップが、タバコ対策の主要な、あるいは最も目立つ活動として位置づけられるならば、それはより厳格な規制や禁煙治療への資金増強といった、目立たないが効果の高い政策変更の代わりとして認識されるリスクがあります。これは、政治的意思が、よりインパクトの低い、しかし視覚的に魅力的な活動によって満たされてしまう可能性を示唆しており、真の公衆衛生の進展を阻害する要因となりえます。

4.2. 公衆衛生分野における啓発活動の目的化による弊害事例

公衆衛生分野における啓発活動は、最終的な行動変容を促すための重要な第一歩です。普及啓発の目的は、対象者が問題の深刻さを知り理解し、態度を改め、最終的に具体的な行動(例:レジ袋を断りマイバッグを利用する)をとるという3つのステップを達成することです 18。ポスター掲示は認知度向上に寄与しますが、より深い理解や行動変容を促すためには、ガイドブックの配布、講演会の実施、影響力のある人物の起用、対面のセミナー、献血車のような具体的な機会の提供など、多角的な働きかけが必要とされます 18

しかし、啓発活動がその本来の目的から逸脱し、活動自体が目的化してしまう弊害は、公衆衛生分野のみならず、自己啓発の領域でも見られます。自己啓発において、「学ぶこと自体」が目的になってしまうケースが少なくありません 11。例えば、本を読んだだけで満足する、セミナーや講座を受け続ける、ノートや計画ばかり作り行動しないといった行動は、知識の獲得が最終目標となってしまい、実践や具体的な成果に結びつかない典型例です 11。外部セミナーへの参加費用が高額であることや 44、参加率の低さ、学習の継続の難しさといった課題も、自己啓発支援において指摘されています 44

公衆衛生分野における目的化の事例としては、地域住民の健康課題を特定する活動において、単に課題を「明確化」するに留まり、その後の具体的な介入や解決策の実施が停滞するケースが挙げられます 45。例えば、認知症の普及啓発が不十分で家族が介護に困っている状況を把握しても、その後の支援が不足する事例や、脳卒中後の閉じこもりの増加を感じても、具体的な外出支援策が不十分な事例が考えられます 45。喫茶店での空間分煙の遅れや地域に根差したタバコへの寛容な文化といった健康課題の深刻化を認識しても、その背景にある地域性への踏み込んだ介入が行われない場合も同様です 45

一方で、具体的な行動変容を促すことに成功した公衆衛生の啓発活動事例も存在します。例えば、江東区の小中学校における「たばこ・アルコール」講演会は、低年齢のうちから正しい知識を普及啓発し、安易な喫煙や飲酒から児童・生徒を守るという、明確な行動変容を目的としたものです 46。また、乳がん検診の受診案内と番組告知を同じタイミングで届けることで、テレビの内容を「自分事化」させ、検診受診を促すという、具体的な行動指示ときっかけを組み合わせた事例も報告されています 47

イエローグリーンライトアップ運動が「意識啓発」を主目的としていることは、公衆衛生の行動変容モデルにおける第一段階に相当します 18。しかし、もしこの意識啓発が最終目標と見なされ、その後の態度変容や具体的な行動(禁煙、受動喫煙回避)への移行を促すための明確な戦略や資源投入が不足している場合、運動は「啓発活動の目的化」という弊害に陥るリスクを抱えます。この状況は、公衆衛生資源と関係者の努力が、最終的な健康アウトカムに結びつかない形式的な活動に消耗され、より実効性のある包括的なタバコ対策の進展が停滞する可能性を示唆しています。例えば、受動喫煙防止のための法規制の厳格化や、禁煙治療へのアクセス向上、高リスク群へのターゲット介入といった、地道だが効果の高い対策への注力がおろそかになる恐れがあります。

5. 懸念4:「受動喫煙したくない、させたくない」コンセンサスの現状と新たな喫煙形態への啓発の必要性

5.1. 受動喫煙防止に関する国民的コンセンサスの現状

イエローグリーンライトアップ運動が掲げる「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージは、日本においてすでに高いレベルで国民的コンセンサスが得られている可能性が指摘されています。国立がん研究センターが実施した受動喫煙対策に関するアンケート調査(2023年)によると、20歳以上全体で半数以上の70.4%が他人のタバコの煙を「不快に思う」と回答しており、非喫煙者に限ると77.2%に上ります 48。喫煙者でも36.2%が不快に感じると回答しており、この意識は喫煙状況にかかわらず広く共有されています 48

また、望まない受動喫煙を防ぐための配慮義務についても、国民の意識は高いことが示されています。「周囲に人がいる場所では喫煙しない」と回答した人が62.5%、「こどもが同乗する自家用車内では喫煙しない」が57.4%、「こどもや患者等の特に配慮が必要な人が集まる場所や近くにいる場所等では喫煙しない」が56.0%と、多くの人が具体的な配慮の必要性を認識しています 48。特に、改正健康増進法により屋内の受動喫煙対策が進んだ結果、不快に感じる場所として「路上」(64.1%)や「屋外喫煙所の近く」(34.3%)といった屋外の場所が上位を占めるようになっています 48。これは、屋内の対策が進んだことで、人々の意識が屋外の受動喫煙へと移行していることを示唆しています。

これらの調査結果は、「受動喫煙したくない、させたくない」という基本的なメッセージが、すでに社会に広く浸透し、一定の行動変容を促していることを示しています。このような状況下で、イエローグリーンライトアップのような象徴的な活動を重ねて実施することの追加的な啓発効果は限定的である可能性があります。限られた公衆衛生資源を、すでに高い認知度とコンセンサスが得られている領域に投入し続けることは、資源の非効率な配分につながる懸念があります。

5.2. 三次喫煙、シーシャ、加熱式タバコに関する啓発の不足

「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージが一定のコンセンサスを得ている一方で、三次喫煙、シーシャ(水タバコ)、加熱式タバコといった、比較的新しい、あるいは認知度が低い喫煙形態やその健康リスクについては、一般への啓発が不十分であるという課題が指摘されています。

  • 三次喫煙(サードハンド・スモーク):
    三次喫煙は、タバコの煙が消えた後に、壁や家具、衣服などに残留する有害物質を吸い込むことで生じる健康被害を指します 50。二次喫煙(受動喫煙)に比べて認知度が低いものの、タバコの残留物が空気中の物質と反応して発がん性物質に変化する可能性があり、健康リスクが高いことが報告されています 50。日本では年間約1万5,000人が受動喫煙(三次喫煙を含む)で死亡していると推定されており、その健康影響は深刻です 50。この概念自体の認知度はまだ十分ではありません 51
  • シーシャ(水タバコ):
    シーシャは、燃やしたタバコの煙を水にくぐらせて吸う喫煙方法ですが、加熱時に発生する一酸化炭素(CO)を吸入することで急性CO中毒を生じるリスクがあります 52。日本国内でもシーシャを提供する店舗が増加しており、実際にシーシャ喫煙後に意識障害を生じ救急搬送された事例も報告されています 52。救急医療に関わる者は、シーシャによるCO中毒の危険性を認識し、啓発に努める必要があるとされていますが、一般市民へのリスク認知はまだ低いのが現状です 52
  • 加熱式タバコ:
    加熱式タバコは、従来の紙巻きタバコに代わるものとして普及が進んでいますが、その健康被害に対する認識は依然として低いことが指摘されています 54。特に、加熱式タバコの煙や臭いが生理痛や頭痛に悪影響を及ぼすことが明らかにされており、女性の健康問題と喫煙との関係について、教育・啓発活動を通じて認知度を向上させる必要があるとされています 54。加熱式タバコが「健康被害が少ない」という誤った認識が広がることで、喫煙行動のハードルが下がり、新たな喫煙者を増やすリスクも懸念されます。

これらの新たな喫煙形態や健康リスクは、従来の「受動喫煙」の枠組みだけでは捉えきれない複雑な課題を提示しています。イエローグリーンライトアップ運動が、すでにコンセンサスが得られている「受動喫煙防止」のメッセージを繰り返すことに資源を費やす一方で、国民の健康に新たな脅威をもたらすこれらの問題への啓発が手薄になっているとすれば、それは公衆衛生戦略上の大きな見落としと言えます。限られた資源は、認知度が低く、かつ健康リスクが高いこれらの領域に優先的に投入されるべきであると考えられます。

6. 懸念5:タバコ産業による「分煙」推進戦略とイエローグリーン運動の悪用リスク

6.1. タバコ産業の分煙戦略の変遷と現状

かつて、分煙は受動喫煙防止のために禁煙運動側が提唱した時期もありましたが、現在ではタバコ産業が喫煙場所を確保するための方便として利用しているという懸念が指摘されています。日本たばこ産業株式会社(JT)は、改正健康増進法に沿った分煙方法やタバコに関する相談に無償でアドバイスする「分煙コンサルタント」として活動しており、飲食店など企業を対象に分煙化を推進しています 56

改正健康増進法により、2020年4月1日から飲食店は原則屋内禁煙となりましたが、店舗規模などによっては例外が設けられています 56。JTは、喫煙専用室(飲食不可)や加熱式タバコ専用喫煙室(飲食可)の設置、技術的基準の遵守、20歳未満の喫煙エリアへの入室禁止、標識掲示などをルールとして示し、分煙化の選択肢を提示しています 56。また、屋外であれば周囲に配慮した上で喫煙は法律上問題ないとしています 56

財務省の資料でも、タバコの煙・においを好まない者や乳幼児のように煙を避けることができない者等に配慮して、公共の場での分煙化を一層推進する必要があるという見解が示されています 57。また、「マイルド」「ライト」といった用語が健康への影響について誤った印象を与えてはならないとしつつも、喫味を伝えるものであれば使用禁止まで行う必要はない、商標の一部となっている場合は使用禁止は行き過ぎである、との立場を示しています 57

これらの動向は、タバコ産業が「分煙」という概念を積極的に活用し、喫煙場所を維持・確保するための戦略として位置づけていることを示唆しています。これは、全面禁煙を推進する公衆衛生の目標とは異なる方向性であり、分煙が「受動喫煙防止」の建前のもとで、実質的には喫煙の機会を温存する役割を果たしているという批判につながります。

6.2. 象徴的キャンペーンが悪用される可能性と過去の事例

イエローグリーンライトアップ運動が掲げる「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージは、一見すると受動喫煙防止の推進に資するように見えます。しかし、このメッセージがタバコ産業の分煙推進戦略と結びつくことで、意図せず悪用される懸念があります。

過去の象徴的なキャンペーン、特に乳がん啓発の「ピンクリボン運動」に対する「ピンクウォッシュ」の批判は、この懸念を裏付ける重要な事例です 32。ピンクリボン運動は、乳がん啓発という崇高な目的を掲げながらも、以下のような問題が指摘されました。

  • 矛盾する製品の販売: 乳がんリスクを高める可能性のある高脂肪・高カロリーのフライドチキンを販売しながら乳がん啓発を謳ったKFCの事例や、発がん性リスクが指摘される成分を含む化粧品を販売するエスティーローダーの事例は、キャンペーンの信頼性を大きく損ないました 32
  • 寄付金の不透明性: 売上の一部しか寄付されない、あるいは寄付金の使途が不明確であるといった問題も指摘され、企業がイメージアップのためにキャンペーンを利用しているとの批判を招きました 32

これらの事例は、象徴的なキャンペーンが、その本来の目的とは異なる、あるいは矛盾する企業の利益のために利用されるリスクがあることを示しています。イエローグリーンライトアップ運動の場合、「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージが、タバコ産業によって「だからこそ、適切な喫煙所を設けて分煙を徹底しよう」という論理に転換され、喫煙場所の維持・確保を正当化する根拠として利用される可能性があります。

もし、イエローグリーンライトアップが、受動喫煙防止の「象徴」として広く認知される一方で、そのメッセージが「分煙」を容認する方向に解釈されるならば、それは全面禁煙を目指す真の受動喫煙防止対策の進展を阻害する可能性があります。これは、公衆衛生キャンペーンが、その意図とは裏腹に、産業界の戦略に利用され、結果的に健康被害を助長するリスクを内包していることを示唆しています。象徴的な活動が、実効性のある政策変更や行動変容を促すのではなく、現状維持や妥協を正当化する「方便」として機能してしまう危険性があるのです。

7. 結論と提言:より効果的な受動喫煙防止対策に向けて

7.1. イエローグリーンライトアップ運動に関する総合評価

本レポートの分析は、受動喫煙防止イエローグリーンライトアップ運動が、その提唱者や参加団体の意図とは裏腹に、公衆衛生上の効果と資源配分の最適性に関して複数の課題を抱えている可能性を強く示唆しています。

第一に、資源配分の非効率性が指摘されます。全国規模での広範な参加は、ライトアップ活動に投じられる集約された資源(予算、人員、電力、設備)が相当な規模に上ることを意味します。これらの資源は、公衆衛生予算が限られている現状において、機会費用を伴います。エビデンスに基づき、医療費削減や健康アウトカム改善に極めて優れると評価されている禁煙治療や包括的な禁煙政策 13 への資源投入が不足している中で、象徴的な活動に多大な資源が割かれることは、資源の最適配分という観点から疑問符が付きます。これは、公衆衛生の進展を阻害する「タバコ対策の退行」につながる懸念を伴います。

第二に、「やりとげた感」と啓発効果の限定性、費用対効果の課題が浮上します。ライトアップ運動の主な作用機序は、受動喫煙防止のシンボルカラーの可視化による「意識啓発」にあります 1。商業的なライトアップが視認性向上やブランドイメージ強化に有効である一方、喫煙行動のような複雑な健康行動の変容を促すには、単なる意識啓発だけでは不十分です 18。ライトアップが直接的な行動変容に繋がったという明確なエビデンスは現状示されておらず、その費用対効果を定量的に評価することは困難です。ピンクリボン運動における「ピンクウォッシュ」の批判事例 32 が示すように、象徴的な活動が実質的な成果を伴わない場合、それは表面的な「イエローウォッシュ」と見なされ、キャンペーンの信頼性を損ねるリスクを内包します。これは、「やりとげた感」は大きいものの、実際の啓発効果が低いという懸念を裏付けるものです。

第三に、手段の目的化という深刻な問題が懸念されます。ライトアップという「手段」が、受動喫煙防止という本来の「目的」と混同され、活動自体が最終目標であるかのように扱われる可能性があります。これは、社会運動における「スラックティビズム」の概念 10 や、自己啓発における「学ぶこと自体が目的化する」現象 11 と共通するものです。もしライトアップ活動が、関係者や一般市民に「何かをしている」という満足感を与える一方で、より困難で実効性のある政策提言や具体的な禁煙支援策の推進への思考停止を招くならば、それはタバコ対策全体の停滞につながりかねません。

第四に、「受動喫煙したくない、させたくない」というメッセージのコンセンサス化と新たな喫煙形態への啓発不足が課題として挙げられます。このメッセージはすでに国民の間に広く浸透しており、重ねての啓発の意義は限定的である可能性があります 48。その一方で、三次喫煙、シーシャ、加熱式タバコといった、認知度が低く、かつ健康リスクが高い新たな喫煙形態に対する啓発は不十分であり、公衆衛生資源をこれらの喫緊の課題に振り向けるべきであるという必要性が浮上しています 50

第五に、タバコ産業による「分煙」推進戦略とイエローグリーン運動の悪用リスクが懸念されます。タバコ産業は「分煙」を喫煙場所確保の戦略として積極的に利用しており 56、イエローグリーン運動のメッセージが、意図せずこの分煙戦略を正当化する根拠として利用される可能性があります。これは、象徴的なキャンペーンが、その本来の目的とは異なる、あるいは矛盾する産業界の利益のために利用され、結果的に真の受動喫煙防止対策の進展を阻害する危険性を内包しています 32

7.2. 資源の最適化と実効性のある受動喫煙防止対策への提言

上記の総合評価に基づき、限られた公衆衛生資源を最大限に活用し、真に効果的な受動喫煙防止対策を推進するために、以下の提言を行います。

  1. エビデンスに基づく介入策の優先:
    純粋に象徴的なキャンペーンから、費用対効果が実証され、直接的な健康アウトカム改善に寄与する介入策へと資源配分を大胆に転換すべきです。具体的には、カウンセリングや薬物療法を含む包括的な禁煙治療支援プログラムの拡充、公共の場や職場における禁煙環境の厳格な整備と実施、そして行動変容を明確に促すターゲットを絞った公衆衛生教育キャンペーンへの投資を強化する必要があります 13
  2. 明確で測定可能な行動アウトカムの設定:
    いかなる公衆衛生キャンペーンにおいても、「意識啓発」に留まらない、具体的で測定可能な行動目標を設定することが不可欠です。例えば、喫煙率の減少、禁煙成功者の増加、受動喫煙曝露の定量的な減少といった目標を設定し、その達成度を評価するための厳密な評価枠組みを導入すべきです 18。これにより、投入された資源が実際に公衆衛生上の利益に結びついているかを検証し、説明責任を果たすことが可能になります。
  3. 新たな喫煙形態への啓発の強化:
    三次喫煙、シーシャ、加熱式タバコといった、一般への認知度が低く、かつ健康リスクが高い喫煙形態について、その危険性と具体的な回避策に関する啓発活動を強化すべきです 50。これらの情報提供は、すでにコンセンサスが得られている受動喫煙防止のメッセージを繰り返すよりも、公衆衛生上のインパクトが大きいと考えられます。
  4. 象徴的活動と具体的プログラムの統合:
    もしイエローグリーンライトアップのような象徴的な活動が、初期の認知度向上や広範な関心喚起に一定の価値を持つと判断される場合、それらは単独で実施されるべきではありません。ライトアップイベントは、禁煙相談ホットラインの紹介、地域の禁煙外来への案内、禁煙支援プログラムへの直接登録機会の提供など、具体的な行動へと導くプログラムと明確に連携・統合されるべきです 10。象徴的な行為は、あくまで行動の「触媒」として機能し、その「代替」とならないよう、その役割を再定義する必要があります。
  5. 透明性と説明責任の強化、および産業界の戦略への警戒:
    すべての公衆衛生キャンペーンにおいて、資源配分の透明性を高め、投入された資金がどのように測定可能な健康アウトカムに貢献しているかを明確に示さなければなりません。過去の象徴的キャンペーン(例:ピンクリボン運動)が直面した批判から学び、表面的な活動に留まる「ウォッシュ」現象を回避し、公衆の信頼とキャンペーンの信用性を維持するための努力が求められます 32。また、タバコ産業が「分煙」を推進する戦略を常に警戒し、イエローグリーン運動のメッセージが、喫煙場所の維持・確保を正当化するために悪用されないよう、明確なメッセージングと政策提言を行う必要があります。
  6. データに基づく政治的意思の醸成:
    政策決定者に対し、喫煙が健康と経済に与える甚大な影響、そして包括的なタバコ対策が持つ費用対効果の高さについて、堅牢なデータに基づいた継続的な教育を行うべきです。これにより、タバコ対策への持続的な資金投入と、より実効性のある政策実施に向けた政治的意思を醸成し、公衆衛生上の真の進展を確実にする必要があります 23

これらの提言は、イエローグリーンライトアップ運動の現状を批判的に評価しつつ、日本における受動喫煙防止対策が、象徴的な活動に留まらず、エビデンスに基づいた実効性のある介入へと進化していくための道筋を示すものです。

引用文献

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  48. 法改正後の受動喫煙対策について 世論調査結果【概要】 – 国立がん研究センター, 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0531/slide_jyudokitsuen_gaiyou.pdf
  49. 受動喫煙対策について法改正3年後の意識や課題を調査 受動喫煙対策強化について周知が不十分であり、普及啓発に課題 – 国立がん研究センター, 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0531/
  50. 三次喫煙のリスクとは?残留受動喫煙による影響と対策を解説 | 分煙機(喫煙ブース), 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.qleanair.jp/guide/smoking/4341/
  51. 接客の新常識!サービス業での就業時間内禁煙などで三次喫煙防止によるUX向上にリンケージが寄与へ – PR TIMES, 6月 7, 2025にアクセス、 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000053753.html
  52. 水タバコによる急性一酸化炭素中毒の1例 – J-Stage, 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsem/25/6/25_946/_article/-char/ja/
  53. Vol.662 5月31日は世界禁煙デーです – 消費者庁, 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20250530/
  54. 加熱式タバコの生理痛および頭痛への影響と 喫煙に関する健康被害の認識 – 日本禁煙学会, 6月 7, 2025にアクセス、 http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/journal/gakkaisi_240820_42.pdf
  55. 加熱式タバコの生理痛および頭痛への影響と喫煙に関する健康被害の認識 – J-Stage, 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstc/19/3/19_42/_article/-char/ja/
  56. 飲食店向け!「たばこのルール」&「正しい分煙対策」をプロが解説! – ぐるなびPRO, 6月 7, 2025にアクセス、 https://pro.gnavi.co.jp/magazine/t_res/cat_2/a_3558/
  57. 喫煙と健康の問題等に関する中間報告 – 財務省, 6月 7, 2025にアクセス、 https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_tabacco/report/tabakoa141010a.htm

 

※この記事は、生成AIの助けを借りています