「議員に対する有権者の好感度に関する質問票調査」(喫煙する議員は嫌悪感を持たれる傾向がある)を寄稿しました

「日本禁煙推進医師歯科医師連盟通信」第31巻第2号(2022年8月31日発行)に、有志で実施したインターネットアンケート調査「議員に対する有権者の好感度に関する質問票調査」を寄稿しました。

結論として、以下を記載しています。

本調査結果から、議員に対する有権者の好感度について、以下のことが示唆された。
1)喫煙する議員は、有権者に嫌悪感をもたれる傾向があるため、禁煙する必要がある。
2)タバコ会社・タバコ農家・タバコ屋・喫煙者等へ利益誘導をする議員や喫煙所増設を求める議員は、有権者に
嫌悪感をもたれる傾向があるため、タバコの販売・消費・喫煙所増設等を推進する活動をやめる必要がある。
3)喫煙所増設ではなく禁煙を推進する議員は、有権者に好感をもたれる傾向がある。
4)分煙ではなく禁煙という意識を醸成するには、さらなる啓発が必要である。

以下は、寄稿の一部です。寄稿内容全体を読みたい方、地域にはたらきかけるために配布するための寄稿内容が欲しい方は、問い合わせフォームよりお知らせください。

ページ下部記載の通り、このページのスクリーンショット・コピー等の無許可の複製は厳禁ですが、お問い合わせいただければ同じ志を持つ方には喜んで提供や複製等許可します。


「喫煙する議員についてどう思いますか。最も近いものを選択してください。」という設問に対しては、喫煙者と非喫煙者で回答の傾向に違いがみられた。「どちらかといえば嫌悪感を持つ」または「嫌悪感を持つ」と回答した者は非喫煙者では93.8%あったが、喫煙者であっても60.7%に上った。喫煙率に基づく補正後では88.3%となった。

喫煙する議員は禁煙することで有権者に嫌悪感を持たれない可能性が示唆された。


「政策や税金により、タバコ会社・タバコ農家・タバコ屋・喫煙者等が利益を得られるように行動する議員について、どう思いますか。最も近いものを選択してください。」という設問に対しても、喫煙者と非喫煙者で回答の傾向に違いがみられた。「どちらかといえば嫌悪感を持つ」または「嫌悪感を持つ」と回答した者は非喫煙者では90.2%あったが、喫煙者であっても59.1%と半数以上に上った。喫煙率に基づく補正後では85.0%となった。

「自民党たばこ議員連盟」、「もくもく会」等のタバコ会社・タバコ農家・タバコ屋・喫煙者等へ利益誘導をする議員連盟への所属は、大きなマイナスイメージと考えられ、議員が有権者に嫌悪感をもたれないためにはこのような議員連盟から脱退し関わりを断つ必要があることが示唆された。

また、喫煙者のために良かれと思って、喫煙者のための喫煙場所の確保を議員が主張することは、非喫煙者だけでなく喫煙者の信頼も失うことになりかねないことが示され、この機会に主張を改めることが望まれた。


「喫煙者向けの喫煙所増設ではなく、喫煙者・非喫煙者双方の健康と健全なまちづくりのために、禁煙を推進する議員について、どう思いますか。最も近いものを選択してください。」という設問に対しても、Q4、Q5と同様に喫煙者と非喫煙者で回答の傾向に違いがみられた。「どちらかといえば好感を持つ」または「好感を持つ」と回答した者は非喫煙者では74.6%あったが、喫煙者であっても45.6%と半数近くに上った。喫煙率に基づく補正後では69.8%となった。

日本国内においては、分煙を目的として公衆喫煙所の設置に向けて働きかけを行っている議員が散見されるが、上述のとおり7割の市民、さらに約半数の喫煙者が、喫煙所増設ではなく禁煙を推進する議員に前向きな感情を抱いていた。これを民意として捉えるならば、議員は、喫煙所の増設の働きかけよりも、受動喫煙防止、喫煙者の健康および健全なまちづくりのために、禁煙化を推進していくことを求められていることが示唆された。

一方で、本設問に対し、非喫煙者であっても「どちらかといえば嫌悪感を持つ」または「嫌悪感を持つ」と回答した者が25.4%とおよそ4分の1となっており、禁煙ではなく分煙で十分とする認識が根強く残っている可能性があり、「喫煙者と非喫煙者をタバコの害から守るために、分煙ではなく禁煙が必要」という意識を醸成するには、さらなる啓発が必要であることが示唆された。