健康まつり、福祉まつりなど、毎年地域で行われているお祭りイベントで啓発する方法について記載します。
タバコの有害性が記載されたポスターなどをベタベタとボードに貼りつけて、「禁煙相談」という形で医師が座っているブースの形式をよく見かけますが、これではあまり来場者はきません。
- 喫煙者は、耳が痛いので自ら訪れない。
- 喫煙者が禁煙したいと思っていても、地域のお祭りであるがゆえに、近所の誰が見ているかわからない状況でオープンスペースで相談は受けたくない。
- 非喫煙者は「自分には関係ない」と思ってしまう。
筆者の地域では、上記の問題を解決するためにいくつかの工夫をしており、毎年わずか4時間の間に500人以上が来場しています。
この方法について述べていきたいと思います。
子ども向けのタバコクイズ企画
ボードにタバコの有害性等について記載した資料を数枚貼り、それを見ていけば子どもでも答えられ、参加賞ももらえる「タバコクイズ」がおすすめです。
医師が複数人スタッフとして確保ができるのであれば、併せて「禁煙相談」ブースを設置しておくと、「タバコクイズ」の採点の際に、親がタバコを吸うかどうか確認でき次第、禁煙相談ブースに誘導することができ、相乗効果が高まります。
用意するもの
- タバコの有害性等に関する掲示物
- 小学生向けの防煙教育のスライドから数枚厳選してA3カラーで出力し、ラミネート加工します
- 小学生向けの防煙教育のスライドについては、「講演スライドの作り方◎」を参照してください
- 外国のタバコのパッケージ
- 上記掲示物と併せて掲示するとよりインパクトが増す
- 事前に、海外旅行に行った人から外国のタバコの箱だけを入手してもらえると良い
- タバコクイズの解答用紙
- 上記厳選したスライドに沿ったクイズを作ります。選択肢にすると良いです。以下は例ですが漢字を平仮名にしておく必要があります。
- タバコの三大有害物質は、タール・一酸化炭素とあともう一つ何か
- タバコを吸うことで日本では毎年何人死んでいるか
- 1日20本タバコ吸っていると、皮膚は何年くらい老化するか?
- アイコスなどの新型タバコは体に悪いか?
- 家族にタバコを吸う人はいるか?
※ここで同行している親が喫煙していることがわかった場合に、禁煙相談コーナーへ誘導
- 上記厳選したスライドに沿ったクイズを作ります。選択肢にすると良いです。以下は例ですが漢字を平仮名にしておく必要があります。
- タバコクイズの景品
- お菓子は、アレルギーの問題があるため避けること
- 面白消しゴムは子どもは喜ぶためおすすめ
- ただし3歳未満の乳幼児は、口に入れてしまう可能性があるため、シールなどにするとよい
- タバコクイズの景品を入れておく箱
- 中が見えないようにしておくこと
- 中が見えないようにしておかないと、子どもたちが好きなものを掴み取るまで何度も選んでしまい、停滞してしまう
- 一酸化炭素濃度の測定器や、スパイロメーター
- 禁煙相談コーナーに
- 肺年齢の測定などは大人にもウケます
- 禁煙を勧めるパンフレット、配布物(製薬会社作成のものなど)
- 喫煙者に渡すだけではなく、「喫煙者の家族(夫や親)に読ませたい」として持ち帰る方がかなりいる
- 文房具等
- 記入用クリップボード 10枚以上(筆者の地域では20枚必要でした)
- クリップ鉛筆(解答用紙記入用)
- 採点用赤ペン(5本以上)
- スタッフ用ネームストラップ(スタッフであることが識別できるように)
- 養生テープ(掲示物をボードに貼るため。100円均一で売っている養生テープだとすぐに剥がれてしまうので、それなりの値段のものがよい)
- その他あると良いもの
- 市内の禁煙外来MAP
- 市内の禁煙飲食店MAP
- ビニール袋(ゴミなどの整理)
- 付箋(来場者に感想を書いてもらい、壁やボードにペタペタ貼ると面白いです)
スタッフ
まつり全体の来場者数の規模にもよります。
- 通りがかりの人にタバコクイズを勧め、解答用紙を渡す人:1~3人(筆者の地域:3人)
- 掲示内容を解説する人:0人~2人(筆者の地域:2人)
- 採点する人:1~3人(筆者の地域:3人)
- 禁煙相談コーナー:1~2人(筆者の地域:健康相談含め3人)
留意すること
- タバコクイズは1人1回だけ受け付けるように、メンバーへ徹底しましょう。(景品目当てに何度も来る子がいます)
- 受動喫煙相談で来られる方が複数名おられます。その場合の態勢を用意しておくと良いです。
- タバコクイズの景品は、3歳未満の乳幼児には、誤飲等を防ぐためにおもちゃ消しゴムではなくシール等をあげるようにメンバーへ徹底しましょう。
- 来場人数は、カウントが難しいため、解答用紙の印刷数から残りの枚数を引く形で算出すると良い。
- 景品授与時に親に喫煙するか確認し、する場合は禁煙相談に誘導
- 笑顔をだいじに!!!
- ごくまれに、難癖をつけにくる喫煙者やタバコ販売関係者がいます。反論はせず、「ハイハイ」と受け流しましょう。